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2007.12.12
Ⅰ-3、RIMCL-MODE設計―その思想・技術背景

(1) 我が国の木造住宅の耐久性について思う

我が国の木造住宅の大きな転換期は、昭和26年に建築基準法が制定されところから始まりました。その後、大きな地震災害や火災被害が起きるたびに、構造強度や消防のあり方が見直され現在に至っております。

ただ、不思議な事は、技術、デザイン、設備等が格段な進歩を遂げている中で、本来一番大事ではないかと思われる建物の耐久性が疎かにされてきた事です。

現代では、作り手も、消費者も、40年程度の寿命と考えているのが大勢を占めているようです。”家は一生の物”という考え方、いわば耐久消費財の扱いです。従って、自分の一生の中で、建物に不都合が起きて建て替える必要が生じなければ良しという価値観のようです。

確かに、戦後の住宅復興期、材料も不足気味、技術者職人も不足気味、基準法も制定されたばかりのヨチヨチ歩きの中で作られた多くの建物は、20~30年で建て替えを余儀なくされました。(棟梁たちの名誉として、現代においても、良質な棟梁たちの手によるものは、この様な状況下でも昔と変わらない耐久性を保持している事を一言付け加えておきます) 

そして、この現実が、多くの消費者に30~40年耐久を印象付けた事は否めません。又、戦後の経済成長、海外文化の吸収、経験等。生活、社会の急激な変化にそれまでの住宅が対応できず、已む無くつくり続けられている事も事実です。

もう一つ、現代の木造住宅の耐久性向上を阻む大きな問題があります。それは、35~36年ほど以前に我が国に導入された住宅の断熱工法です。

これまで、多くの建物に断熱を起因とする結露事故、漏水事故、カビの発生、が報告され、各研究機関はその対処に奔走してまいりました。

この住宅断熱を起因とする結露等のメカニズムは、とうに解明されておりますが、建物内部で起こる結露は、複雑な要因がからみ、建築技術者達は相変わらず対策に苦慮しているのが現実なようです。

(2) 我が国の住宅断熱について思う

我が国の住宅断熱の起源は、寒い冬の暖房日の節約にありました。第1次オイルショックの後、石油燃料供給への不安が起き、それまでの灯油依存度の高かった、冬の暖房の省エネルギー化が国策となりました。

そこで寒い地域で発達した断熱技術が必要だったのです。

冬は効率の良い暖房がなければ人の生きていけない地域の技術です。夏も気温が低めで、1年を通して比較的湿度も低い地域の技術でした。

検証はしておりませんが、恐らく、断熱技術が発達したその地域においても、結露の問題はついて回った事は想像に難くありません。ただ、我が国における気候状況と対称してみますと、その解決は比較的単純だったのではないかと思います。

そして只今は地球温暖化が警告され、世界各地で異常現象が報告されています。我が国においても、夏の気温が40℃を超える地域が連日のように報道されています。

その上寒さ対処の断熱材(ポリフィルムムラッピングと併せて)は、結露への対処に不安要因をはらんだまま、今度は、夏の日射を浴び、蓄熱体と化しているのではないかという疑念です。私はこれを、ヒートアイランド現象ならぬ、ヒートハウス現象と呼んでいます。そしてその暑さをエアコンのフル運転で凌いでいるという笑うに笑えない現実が見えています。

現代においても、都市部を除いては、日中の気温が36℃まで上がっても、夜半から早朝にかけて、外気温は25~26℃程度に下がります。断熱材や躯体への蓄熱がなければ窓をあければ充分に涼感を得られるのではないかと思います。

この様な経緯から、リンクル-モード設計では、今までの量式断熱材(グラスウールやロックウール等)から決別、太陽からの日射を反射する機能と断熱機能を併せ持った熱反射断熱材の採用に踏み切りました。

と同時にこの熱反射断熱の採用により、建物の構造を構成する、柱や梁の自然な状態での換気性も良好になり、”RIMCL100″住宅の耐久性への裏づけ技術となりました。

その夏における効果は、温度測定データから推察できます。但し、冬における断熱効果は確認されておりますが、躯体内結露の発生については、最低外気温が0℃の時のデータがあるのみで、地域によってはその安全性が成立しない可能性があります。

外気温32℃、小屋裏温度46℃、熱反射断熱を介した2階室温31.5℃、1階の室温30℃と、エアコンなし、遮蔽カーテンなしのデータが如実に物語っています。

因みに、本年7月に一件、8月に1件、引渡しが済み生活の始まった、リンクルーモード設計されたお宅にお邪魔しましたところ、カーテンやヨシズで日射を遮り、エアコンなしの生活をしておられました事をご報告いたします。

にかけて、外気温は25~26℃程度に下がります。断熱材や躯体への蓄熱がなければ窓をあければ充分に涼感を得られるのではないかと思います。

この様な経緯から、リンクル-モード設計では、今までの量式断熱材(グラスウールやロックウール等)から決別、太陽からの日射を反射する機能と断熱機能を併せ持った熱反射断熱材の採用に踏み切りました。

と同時にこの熱反射断熱の採用により、建物の構造を構成する、柱や梁の自然な状態での換気性も良好になり、”RIMCL100″住宅の耐久性への裏づけ技術となりました。

その夏における効果は、温度測定データから推察できます。但し、冬における断熱効果は確認されておりますが、躯体内結露の発生については、最低外気温が0℃の時のデータがあるのみで、地域によってはその安全性が成立しない可能性があります。

外気温32℃、小屋裏温度46℃、熱反射断熱を介した2階室温31.5℃、1階の室温30℃と、エアコンなし、遮蔽カーテンなしのデータが如実に物語っています。

因みに、本年7月に一件、8月に1件、引渡しが済み生活の始まった、リンクルーモード設計されたお宅にお邪魔しましたところ、カーテンやヨシズで日射を遮り、エアコンなしの生活をしておられました事をご報告いたします。

(3) CO2発生の抑制に必須な建築技術及び体制

A.建物構造の耐久性

     ・強固な地盤、基礎構造の構築

     ・強固な上部木構造の構築

        (耐震性については、耐震シェルターの構想があります)

     ・安全断熱工法の採用

     ・自然な状態で内、外気に開放される木構造換気環境の構築

       (ポリフィルムによるラッピングに危惧)

     ・雨仕舞いの良いデザインの採用

B.居住環境の快適性

     ・夏に涼しい

       (屋内全ての部屋が可能な限り同一温度・湿度)

       (1日の中で可能な限り温度・湿度の変化は最小に)

     ・冬に暖かい

       (屋内全ての部屋が可能な限り同一温度・湿度)

       (1日の中で可能な限り温度・湿度の変化は最小に)

     ・風抜けの良い空間設計

     ・狭小敷地においては限界広さを追求した空間設計

     ・ストレスのない生活動線設計

       (平面方向・縦方向にエンドレスな生活動線)

C.省エネルギー性

     ・冷暖房設備のイニシアルコストを抑制

     ・冷暖房設備のメンテナンスコストを抑制

     ・冷暖房設備のランニングコストを抑制

     ・冷暖房設備のリフォームコストを抑制

     ・安全・シンプルで性能劣化のない断熱工法の採用

D.普遍性

     ・生活の変化への容易な追随性ー可変空間

     ・再生の容易性、安全性ー誰にでも理解できる

     ・メンテナンスの容易性、安全性ー誰にでも理解できる

     ・飽きの来ない内外観デザインー必然性からのデザイン

     ・セルフメンテナンスの可能性

E.信頼性

     ・建築情報の共有

     ・建築情報の開示

       (記録写真、実行予算、施工図面、各種検査済み証、品質証明書等)

     ・生活地域内での業者職人の調達

     ・責任が一人に帰する営業、設計、施工体制の構築

この記事のカテゴリ:温暖化対策住宅
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