ダンシステムにおいては、16年ほど前に、2×6工法を基本構造とする建物に、今で言う通気工法を取り入れ、躯体自然換気工法と命名しました。当時、パネル構造の必然である半密閉構造に疑問を持ち、1年近く試行錯誤した結果、構造用合板の外側に胴ぶちを介して、外装仕上げの下地を作り直す方法に行き着きました。費用対効果を考えると、なかなか行き着かない方法でしたが、結果、費用は余りかからず、効果は計り知れない方法である事を確認した覚えがあります。
ほぼ時を同じくして、ベイパーバリヤーにアルクラフト紙を採用しました。これは、ポリフィルムの性質が、木材との接面においてその含んだ湿気を呼んでしまい、結露を引き起こし、又、カビ等の発生を助長する原因になる事を懸念した故です。
アルクラフト紙は、アルミ箔とクラフト紙を蒸着した2層構造から成るベイパーバリヤーで、熱反射の機能を併せ持っています。アルミ箔は、生活熱を屋内に反射、太陽の熱線を屋外(通気層)に反射します。クラフト紙は、壁内で発生する微細な水蒸気(結露水)を吸収、放出します。
これらの一連の工夫が何の意味を持つかと言いますと、それは、木造住宅の耐久性向上において非常に大事な要素となるからです。機会、システムでもそれらに替える事はできます。しかし、100年と言うスパンで住宅を考えた場合、メンテナンスも容易でリフォームも容易な(大工さんで間に合うと言う意味)、目で見て判る構造に勝るものはないと信ずるからです。
シンプル、安全断熱構造を持つ外壁のカットサンプルの写真を参考までに掲載します。