湘南の注文住宅・こだわりのリフォーム

「ニッチの棚」と教えてもらっても、新聞などでしばしば目にする「ニッチ」の意味とはずいぶん異なる使い方でとっさにピンと来ませんでした。好奇心から調べてみると、「ニッチ(niche)」はもともと「花瓶や像などを置くために作られた壁のくぼみ」の意味で、私が知っていた「ニッチ産業」「ニッチな市場」より「ニッチの棚」の方が本家本元の使い方なのがわかりました。

「作られている場所」「置かれている物」など利用方法がとても個性的で、ついついオーナー宅で「ニッチの棚」を探してしまう私としては、NY邸でも是非上手いこと作ってもらおうと待ち構えておりました。ところが、ダンハウスで「ニッチの棚」を作ることは思ったほど簡単ではなかったのです。

先ず、「ニッチの棚」を作るには「壁にくぼみ」が必要ですので、SE構法の耐力壁や構造柱に作ることは出来ません。設置可能な場所が限られます。

次に、「ニッチの棚」にふさわしい場所かどうかは、部屋のイメージがある程度見えてこないとわからないので設計段階から検討するわけには行きません。建築が進んでからの検討になります。
最後に、「ニッチの棚」の安易に「あっちにも、こっちにも作って欲しい」というものではありません。良く考えないと「施主のセンス」を問われます。しかしながら「作って欲しい」と言わないと出来ないので「あたって砕けろ」の精神も必要です。

NY邸の場合、私の性格から「あたって砕け散る」より「施主のセンス」に見栄を張る方を優先したため、結局、娘の部屋だけの「ニッチの棚」になりそうです。

＜NY夫婦の会話＞
「素敵な棚田よね」
「部屋に作り付けの棚があるのが夢だっていってたしね」
「キッチンにも欲しいけど」
「僕のセンスから言うと・・・」

僕のセンスから言うと・・・