基礎の配筋工事では設計図面通りに鉄筋を組上げる事は勿論ですが、強度を確保する為に必要な約束事(建築基準法で規定されている)がたくさんあります。以下に一例を記してみます。
・コンクリートの被り厚さの確保: 地面に接する部分は60mm以上、その他の部分は40mm以上鉄筋にコンクリートが被ってなければいけんせん。
・鉄筋の継ぎ手、重ねの長さ: 配筋の部位によって鉄筋を重ねる長さが決まっています。その長さは鉄筋の直径(dで表す)によって違ってきます。例えば、”重ね長さ35d”と指定されている部位の場合、Φ13mmの鉄筋の場合は、13x35=455mmとなりますが、Φ10mmの場合は、10x35=350mmとなります。
・アンカーボルトの正確な配置、定着、頭出し: 土台を基礎に緊結する役割をするアンカーボルトにも大事な規定がされています。アンカーボルトの各部サイズ、土台等を固定させる為のボルト間の距離、基礎に埋め込む長さ等、これらは設計図面に明記されています。
・鉄筋の補強: 基礎の切り欠きや貫通口(設備配管用のスリーブ等)には補強が必要です。この補強にも規定が為されています。
これらの工事の監理は、住宅の設計監理者として非常に神経を使います。お手の物の木構造とは工事の時間も資材も違い、扱う相手が地面と言うことがあります。基礎の穴をほるところから小まめな現場でのチェックが必要な工程です。
基礎梁の配筋が完了:コンクリート被り厚、定着長さチェック
耐圧版の配筋が完了:コンクリート被り厚、重ね長さチェック
アンカーボルトの設置完了:配置、頭出し、定着長さチェック