これまでは,ダンシステムにおいても、量式断熱材(ロックウールやグラスウール等)による安全断熱工法を模索してまいりました。一方一般的には量式断熱材を採用しての安全断熱の追求は、現在では、吸水性の少ない断熱材、例えばセルロースのような素材を使う方向で進んでいるようです。
断熱住宅がこのままで進む事は、決して間違いと言い切ることはできませんが、温暖化が進む現在、夏に日射を浴びて断熱材が蓄熱体と化す(ヒートハウス)恐れも考えられます。つまり、冬の暖房費を節約する為の断熱材が、夏には建物を暖め、それを冷やす為に冷房エネルギーが必要になるという、わけのわからない矛盾が起こっているような気がします。
地球規模の温暖化を迎え、CO2の抑制を真剣に考えなければいけない状況が迫っています。このあたりで、いつまでたっても安全性に結論の出ない断熱工法に訣別して、、我が国の気候条件における最適な断熱工法を考える時期がきているのではないかという気がしてなりません。
ダンシステムにおいては、2年前に量式断熱材に訣別し、熱反射断熱工法に移行しました。
その最大の理由は、かつての耐久性の高かった我が国の住宅の構造が置かれている換気環境とほぼ等しいものを、断熱という機能を併せ持って実現できるという大きな可能性を秘めているからです。真壁構造(部屋に柱や梁が露出している)も何の問題もなく実現します。
もう一つの大きな理由は、冬だけに機能し、ややもすると夏には害となりかねない今までの量式断熱材を熱反射断熱材に替えることで、夏、冬双方に充分機能(性能実験により確認済み)させる事ができるからです。それによって、オールシーズンで省エネルギーが実現する可能性がります。その成果は、”RIMCL100住宅の屋内音熱環境性能”の項で温度データーを載せていますので参照下さい。
その上、安全断熱を確保する為の複雑なシステム、機械は不要になります。大工さんが、現場作業で簡単・安全に、性能劣化のない、湿気のこもらない安全断熱構造を構築できます。現場の職人にとっては胸のつかえがとれるような、不安要因が一掃されるような状況に変化します。
壁構造断面図